コミュニティラジオの頃

(63)テレビを壊したばっかりに

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コミュニティラジオの頃 はじめに

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平日の夜、1時間の生放送を2年間担当していたことがあった。

番組のスタートはオープニングトーク。

あぁだこぉだと好きなことを話して、頃合いのいいところで番組タイトル、そしてテーマソング。

ラジオ好きが自分の聞いていたラジオスタイルをやりたくてずっとこのパターンを築いていました。

オープニングトークは、プライベートやラジオの仕事での話や芸能界や他愛のないこともあったが、まぁ毎日なんやかんや話すって、これが実に大変なのですわ。

で、面白い話とあれば局員のプライベートも社内の話もペラペラしゃべるもので

「溝ちゃんの前では余計なこと話せないわ」

と、スタッフに逃げられることも。

他人の面白い話をペラペラしゃべるわけだから

自分の話ももちろんするわけで、

ある日。自分のミスでオフィスのテレビを壊してしまったことがあります。

テレビを壊すって!とお思いでしょうが

当時、ビデオを見ながらトークするって番組を担当していまして

その収録のために毎度毎度オフイスのテレビを録音室に運ぶわけです。

いまのようなデジタル化される前。

小型とはいえ、ずんぐりむっくりなテレビ。

これを録音室に運び、収録を終えるとオフイスに戻すわけですが

なんと溝手がそのテレビを誤って床に落としてしまったわけです。

ガチャーーーンと。

オフイスにはテレビが一台しかないわけで(といっても緊急ニュースなどが無いとテレビをつけることはないのですが)

「あーあ。やっちゃった」

「弁償だ弁償」

と、冗句混じりながらみんなからバッシングされるんです。

その時は「やばいどうしよう」

とは思いながら心の中で

「今日のOPはこれだな」

となるわけですよ。

で、OPでこの話をするわけです。

「いやぁ今日は大変・・・今日番組の収録でさ、事務所のテレビを録音室に運んで収録したのさ。で、収録終えて、あぁ疲れたと思いながらテレビをもとの場所に戻そうとしたら、弘法も筆の誤まりならぬ、溝手もボケの始まりって感じで手を滑らしちゃってね。ガチャーーーンと床に落としちゃったわけ。テレビ壊れるわ、弁償しろってスタッフに言われるわ大変よ。で、フクハラ(帯広のスーパー)だかで今度何周年記念で抽選でテレビもらえるフェアがあるんだって。新聞のチラシに入ってたらしいんだけど。それで溝ちゃん、明日の朝フクハラに並んで抽選引いてテレビ当ててきなさいって命令されて。おいおい俺放送終えて家帰るの1時過ぎだぞ。明日朝8時過ぎにフクハラの前なんて並べるかっての。でもテレビ壊れちゃったしなぁ。どうしよう。誰か余ってるテレビあったら局に分けてください」

とこんな感じのことを、ベラベラと喋って番組がスタートしたわけです。

ま、いつものOPでいつもの番組。

溝手のリスナーにとっては、普通のバカ話と思って聞いてくれたと思うのですが…。

で、この放送を終えて何日か経った時。

ディレクターが神妙な顔して私の元に来るのです。

「溝手、お前の番組によくわからないクレームが来てるんだけど」

え、なに?(つづく)

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