昔タウン誌で編集をしていたころ、
毎週企画会議とやらが編集部内で行われた。
「ラーメンランキングは、いつ頃やる」
とか
「今、デザートは○○が流行ってるって」
とか
「道産子ワイドで△△の特集やってたよ」
とか、まぁいろんな情報交換を出し合うわけです。
たしかね・・・というのもこの会議ってのに何十回か参加しているのだが
その中身で覚えてるのがなぜか一つだけ。
それも鮮明に覚えているのが会議の浅い部分の会話。
今日はこれを書こうと思う。
「誰にも教えたくない私だけの空間」
「落ち着けるスポット」
「私の大好きな場所」
たしかこの手の企画の話をしてたんですよ。
普通で考えたら恋人と夜景を見ながら飲めるオシャレなBARとか
札幌から車で1時間で行ける秘境スポットとか
そういう特集をイメージしてたんだが
その会議中、当時の編集長が
「俺はさ、仕事終わってJRで手稲駅降りて、ここから歩いて数分で自分ちなんだけど駅前にある焼鳥屋に寄って、ビール何杯かと焼鳥数本を食べる。あの空間が一番落ち着くんだ」
と話し続いて副編集長が
「私はね。会社行く前に札幌駅地下のドトールに寄るの。そこでコーヒー飲みながら煙草を何本かプカプカ吸う。眠気も覚めるし、これから仕事って時に落ち着く場所なんだよね」
あらあら?
オシャレな空間でも秘境空間でもないのかね。
で、この企画がこの後どうなったのか、実は何も覚えてないのだが
あのとき二人が言ったこの言葉。
なぜか10数年前のことなのに、今でもはっきり覚えてるのです。
で、
「落ち着けるスポット」
「大好きな場所」
それって、行きつけの焼き鳥屋だったり、
誰にも気兼ねなくタバコを吸えるコーヒーショップ。
誰かに紹介する必要がない大好きなスポットだったら
それが本当にこの人のナンバー1だよな、と思う。
雑誌やメディアが勝手なシチュエーションを思い描き
あぁだこぉだと紹介するスポットは、作り物で
それを見てそこに行って
「わぁ、素敵」
「いいとこ見つけたねぇ」
は、その人たちの意思じゃなくて
雑誌に載ったから
テレビで見たから
の付加価値で勝手にイメージを膨らませただけ・・・だよなぁ。
写真は、一時間ほど時間があったので、集中して仕事したいなぁと入ったものの、メニューのハンバーガーに惹かれ、ついつい頼んでしまったら美味しくて、お腹いっぱいになったら、本来やるはずだった目的も忘れボケラーっと本を読んで一時間という時間を目的変更した某カフェより。