コミュニティラジオの頃

(35)盛り上がってる、、、ようです

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コミュニティラジオの頃 はじめに

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ようやっと1994年12月23日正午に開局。

やっとこさラジオ人の端くれになったわけだ。

オープニングで全員の挨拶を終え、曲の間に記念撮影をして

溝手は一人、営業さんの車に乗り帯広市内レポーターの旅である。

中継先は・・・

スーパーとか、どこかの店の駐車場とか本屋とか回ったような気がする。

前日寝てない状態で1時間に1回

「はい溝手でーす。私は今○○にきていまーす」

と中継。

中継が終わるたびに

「次は●時○○分に△△へ行きます!」

とコールをして移動するのだが、

次の移動先に行っても、誰からも声がかからない。

ラジオ放送だし、開局放送だから

中継先に行ったら

「聞いてました」

「頑張ってください」

みたいな声もちょっとは期待したが、

ちょっとも無く。

それどころかスーパーに中継へ行き、

スタンバイを待ってるとお客さんが近づいてきて

「トイレはどこですか?」

なんて聞かれた。

それも2人続けて。

面倒だから

1人目には

「このスーパートイレないんですよ」

と伝え2人目には

「お酒コーナーの右曲がって、お弁当総菜コーナーがあります。そこのお弁当とお惣菜の通路の間を抜けますとトイレがあります」

などと、多分そんな通路無いだろう道を教えてあげた。

中継に関して言うと、正直手ごたえを全く感じなかった。

そして中継の移動中に流れるラジオからは

開局放送で盛り上がっている空気が満々に聞こえる。

「初めての放送で緊張しています」

「生放送ならではですねー」

など初々しく話す同僚たち。

番組にはリスナーからの応援電話やFAXがどんどん届いているようだ。

(ちなみに当時はまだ携帯電話もPCもほぼ普及されていない。だからメールというものでのメッセージはない)

盛り上がってるなー

と思いながらラジオを聴く。

局には差し入れも次々届いているそうだ。

中継先をウロチョロ回る俺には誰も声をかけてくれないぞ。

盛り上がるはずの開局放送なのに、どんどん冷めていく自分がいた。

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