コミュニティラジオの頃

(31)不安と不満の中で

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コミュニティラジオの頃 はじめに

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開局一か月前の模擬放送を終え、残り一か月。

開局に向けて突っ走るわけだが、

なかなかそう簡単にはいかない。

我々は親会社の下請け(?)の会社なので

就業規則が親会社と同じ。

朝8時半~夜5時半までの勤務だという。

朝8時半には親会社に出向き、朝礼に参加する。

昼休み明けの午後一時にも昼礼。

ただね。開局一か月前に迫り、放送時間も決まった中、

就業時間での勤務というのはあってないようなもの。

特に私の担当時間は19時から25時。

普通に考えて夕方過ぎに勤務して深夜の1時2時に帰るわけだ。

だから当然体を慣らすために一か月前なのだから勤務時間を変えてほしい。

できればフレックスに。

そんなことを言ったら怒られた。

「ほかのみんなは朝8時半から出社してるのに特別扱いは許さない」

いやいや、みんな17時半に帰るんでしょ。

私は19時から放送するんですよ。

そう言うと

「放送が始まってから勤務のことは考えなさい」

だって。

それから我々はパーソナリティだけど営業もやらなくちゃいけないらしい。

「放送で喋っても一円のお金にもならないんだから、ちゃんと企業まわって広告費を取ってくるように」

営業をする、、、は、人数が少ないから、まぁ仕方ないかなとも思ったが

気になったのは

「放送で喋っても一円のお金にもならないんだから」

いやいや、それをお金にするのが営業の仕事なんじゃないの。

開局一か月を切り、具体的な動きを起こるたびに

私は

「これはおかしい」

「なんでそうなるんだよ」

と文句を言ってた。

もちろん会社の人に直接文句を言える勇気もなく、

陰でこそっと言うだけだけど、

その愚痴をいつも聞いてくれたのが、

その後私の番組のディレクターをするDさんだった。

「ラジオパーソナリティが服装とやかく言われるのはおかしい」

「毎日市役所に顔を出さなきゃいけないって、夜7時から放送の俺は何時にけばいいんだよ」

などなど(ここに書けないレベルの文句言ってたこと今思い出したが絶対書かない・笑)。

Dさんはおれの文句一つ一つに頷き、同意してくれる時もあったが

時には

「溝手それは違うぞ」

「社会人なんだからそれは我慢しなきゃ」

と諭してくれる時もあった。

Dさんは俺より5つ上。

ただ頭ごなしに先輩ずらされたら

「うるせーよ」

となったかも知れないが、私のことを理解してくれながら注意してくれるので

愚痴やストレスを消費できるありがたい存在だった。

もっとも私がDさんに愚痴るのは、Dさんがコマーシャルや取材物の編集作業をしているさなかの録音室。

「それでさー」

「だからさー」

と文句を言う私の話を聴くために、編集時間が通常の数倍かかり

毎日残業させていたのは言うまでもない。

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