プロ野球の世界では
昨年から「現役ドラフト」なる新しい試みをスタート。
今年も開催されることになり、来週行われるそうだ。
現役ドラフト。
通常のドラフトはアマチュアの選手が指名されるわけであって、
これは現役の選手が指名される制度。
もちろん誰でも指名できるわけでなく、
各球団が「よかったらどうぞ」と差し出した選手の中から
他球団で欲しい選手を一名以上指名する。
ドラフトと名がついているがトレードの方がイメージに近いかも。
ただし通常のトレードのように
「うちは左投手が不足してるから、あなたの球団の○○をください」
「では、オタクの外野手の△△を。うちは外野の層が薄いからねー」
といったお互いの利害関係から生まれるトレードとは違い、
自分のチームから出してもいい選手を持ち出し、
その中からもらってもいい選手を選ぶという
結構シビアなのだ。
出してもいいよの選手だけど、ホントに出してもいいなら戦力外にしてもいい。だけど戦力外にはしないで現役ドラフトにかける。
で、各球団複数選手を出しているから指名されなかった選手は自分の球団にそのまま残る。
「うちはA投手とB内野手を現役ドラフトに出そう」
現役ドラフトと言えば聞こえはいいが
つまり来季の戦力としてそう考えていないから出したわけだ。
でA投手が指名され、かわりに他球団のC投手を指名した。
これで現役ドラフトが終了した場合、
B内野手は今までのチームに残ることになる。
チームとしては出してもいいと思ったのに、あぁ残っちゃった。
これが正直な気持ちでしょう。
自分たちの会社に置き換えて考えたらこれって結構シビアじゃない?
転勤、クビ、転職とはっきり自分の意志や会社の事例で決まるならいいが
「○○に出向になるかも」
と言われ構えてたら
「やっぱり出向なくなったわ」
いやいや、出向だっていったから荷物まとめてたよ、とか。
昨年の現役ドラフトでは各球団1名ずつが指名されたので、
12名の選手が現役ドラフトで移籍した。
そのうち6名が今季限りで戦力外(うち2名は育成が再契約)だから
半分は使い物にならなかったと判断された。
この数字を見て「現役ドラフトは失敗だ」という人もいる。
その逆でベイスターズで活躍できなかった細川がドラゴンズの主力に
ホークスで結果を残せなかった大竹がタイガースの先発で12勝挙げて活躍した。
12名のうち2名が他球団で活躍した「現役ドラフトが無ければ二人は埋もれていたかもしれない」という声もある。
私個人としては後者の意見を推す。
毎年多くの選手がプロに入り活躍するのはごく一握りだ。
ザックリ70名入団してレギュラーになったり活躍する選手なんて10名やそこらしかいない。
て考えると、最初の球団で結果を出せなかった12名のうち2名が主力になった。
これだけでもすごいと思う。
手探りだった1回目の現役ドラフトで活躍した選手が出た。
1年でクビになる選手も出た。
で、2年目である。
各球団差し出す選手を、狙う選手の見定めを
今頃真剣に考えていることだろう。
ちなみに私はホークスファンなので
「大竹活躍して悔しい?」
と聞かれるが全く悔しくない。
むしろホークスにいたら今年も活躍できた可能性は少なく
甲子園で花開いてくれて嬉しいし、現役ドラフト様様だと思っている。
誰が現役ドラフトにでるのか、誰が指名されるのか。
やってる球団や選手たちにとってはたまったもんじゃないだろうが
イチプロ野球ファンとしては、去年から始まったストーブリーグのもう一つの楽しみとして、どのような結果が出るのか期待している。
それから来季より新登場する二軍の二球団の指名選手。
これも気になるね。