なぜこの仕事が俺に来たの？
って発注今まで何度もある。
受けた時点で「ないわぁ」
と断ったものもあるし、
打ち合わせの段階で
「これはないわぁ」
と断ったもの。
断り切れずに受けて後悔したものや
逆にイヤイヤ受けたのにとても楽しい仕事で
なんで俺断ろうとしたんだろうってのも多々あったりする。
そんななか・・・今思い出しても断ればよかったなぁ、な仕事の話を。
女性が社会で生きるだったか、女性が女性らしく生きるだったかの仕事（覚えてない時点で引き受けたらダメだろ）。
そこで溝手はアフィリエイトのことを話してほしいと打診があった。
これまでもシングルマザーの副業についてや
主婦でも副業で、みたいな公演、セミナーはしたこともあったので
今回もそんな感じのイベントなんだろうと、
軽い気持ちで参加したのだが
あれ、、、様子が違う。
先生と呼ばれるお偉い方はいるし、
女性の社会進出は、みたいな講演はあるし。
ねぇねぇ、絶対俺場違いだよね。
「続いては広告代理店ユータスネット溝手孝司さんによる、インターネットを使った副業ビジネスの勧めです」
司会者に促された壇上に上がる。
持ち時間は30分。
まぁ、なんとかあるだろうと話し始めるが、、、
・・・やっぱり場違いだった。
「ネットを使って副収入」
「ブログを書いてお金を得る」
そんなキーワードを話すたびに、
客席の皆さんが引いていくのがわかる。
何かいけないセミナーでも聞かされているような、
眉をギュッと曲げている人。
あからさまな嫌悪感を示す人も。
まぁ、今日の会ならそうなるよねー。
でも途中でやめるわけにもいかず。
30分きっかり喋って終えてやった。
「以上です。ありがとうございました」
まばらな拍手。
私を呼んだ主催者。
「アフィリエイトの話して大丈夫ですか？」
「大丈夫です。皆さんそう言う話に興味ある方ばっかりですから」
って聞いてたんだけどなぁ。
壇上を降りて、その主催者を探したが姿が見つからない。
逃げたかぁ。
まぁ逃げたくなる気持ちもわかる。
俺も逃げたいもん。
別なスタッフに声をかけ、こそっとその場を立ち去った溝手であった。
翌年同様のイベントが開催されたようだが、当然ながら溝手が誘われることはなかった。
