コミュニティラジオの頃

(40)ラジオはキャッチボール

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新しいラジオ局が誕生して、

その第一回目の放送なのに

そこで「高岡早紀脱いだよなぁ」などと

深夜ラジオみたいなトークをしてりゃリスナーからメッセージなんて来るはずがない。

今となったらそれは百も承知だが、

その時はそんなことも考えれず、

そして一通のメッセージも来ない状況に焦り始めてきた。

とってつけたように

「あなたのはじめては何?メッセージお待ちしています」

などとテーマを決めてみたり

「メッセージくれた方には、ステッカープレゼントします」

などと媚びを売り始めたものの相変わらずメッセージが来る気配がない。

12月23日の夜八時台。

テレビでは楽しい特番もやってるだろうし、

夕食やお風呂や、皆さんお忙しいですわな。

もうすぐ9時になろうとしている。

「俺逃げていい?」

N君に聞いてみる。

「だめですよ」

当たり前の返しをするN君。

逃げちゃ…ダメだよな。

じゃあ、正直に向き合おう。

ジングル明け。溝手は番組開始から45分も経って初めて自己紹介を始める。

今年25歳になったこと。

子供のころからラジオが好きだったこと。

今年中に好きなことが仕事にならなかったらサラリーマンにならなくちゃいけなかったこと。

この夏ラジオ局から誘われたこと。

全部以前のこのブログに書いたことだね。

この辺の話を喋ってみた。

笑いを混ぜずに真面目に喋ってみた。

「そんなこんなでここの局に拾われ、今の溝手があります」

そんな挨拶をして、溝手の当時好きだった曲を自分から自分へのリクエストとして流した。

曲が流れてる間…カタカタカタ…あっ、FAXが流れている。

電話も何本かかかってきた。

やっとリスナーがメッセージをくれた。

FAXは「第一回目の放送おめでとうございます。縁あって帯広来たんだから頑張ってくださいね」

電話も「なかなか面白いよ」「頑張れ」

と好意的なもの。

ラジオはキャッチボールだ。

以前読んでたラジオパラダイスのインタビューでDJたちがことごとく語っていた。

ラジオはキャッチボール。

電波の向こうにいるリスナーにボールを投げなきゃボールは返ってこない。

番組スタートからやっと1時間でそれを思い出した。

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