社長ブログ

札幌成金のこと、福北寄席のこと

2016年だから、もう4年も前の話になる。

「溝手さん、札幌で落語公演したいんですが、手伝っていただけませんか?」

頼んだ主は、落語芸術協会のN君。

N君とは、20年来の付き合い。

コミュニティラジオの頃でもN君として

何度も登場している、元帯広畜大生で学生DJをしていた。

今は落語芸術協会にいるのだ。

「いま成金ってイキのいい落語家たちがいまして、彼らの公演を札幌でやりたいんです」

ちなみに溝手の落語知識など全くもって・・・。

このころで5年以内に見た生落語は、

知人に誘われていった立川談春の独演会と

なんばグランド花月の行った時に見た桂文枝くらい。

てことで、その成金ってのも何なのか誰なのかも知らなかった。

成金は当時二つ目の落語家&講談師11人によるユニット。

歩がト金になって成り上がるように、

自分達も二つ目からブレイクを目指そう!と作られたそうだ・・・。

N君から聞いても「へぇ・・・」って感じだったが、

「手伝ってほしい」

とお願いされれば断る理由はない。

そしてその翌年。

2017年1月に札幌時計台ホールで「札幌成金」を開催することになった。

11人のメンバーからやって来たのが

柳亭小痴楽

瀧川鯉八

桂宮治

神田松之丞の4名。

正直に言います。

その頃、1人も知りませんでした。

入場料2000円で2ステージ。

N君に

「チケット売れるの?」

って聞いたら

N君は、テメェ何言ってるんだこの野郎・・・てなトーンで

「はぁ?」

と答える。

こっち的にはスポンサー探しや手売りもしなくちゃいけないのかなぁ

くらいなこと考えていたのだが、

「大丈夫ですよ」

とN君。

大丈夫なんだぁ・・・。

半信半疑の溝手だったが、

その後、札幌で落語公演をしている団体や

その関係者、それから地元の落語ファンに会い、この公演のことを話すと

「これはすごい」

「このメンバーで2000円は安すぎる」

「絶対行きます」

と大絶賛。

そうなんだ。すごいんだぁ・・・

と思っていると公演日前に2日ともチケットが完売。

当日券も出せない大盛況だった。

この公演の成功を受け、札幌成金は

札幌大成金として共済ホールでの公演も成功。

時計台ホールでの札幌成金の成功に気をよくしたN君と私は

翌2018年12月から札幌福北寄席なる企画をスタートした。

隔月年6回ペースで落語公演を行い、

7月に第10回を達成。

第11回目の9月には特別公演として

春風亭昇太師匠らを呼ぶことができた。

それから札幌以外もやりましょーぜと

福北寄席は三笠や旭川などでも開催。

福北寄席のサポートで梅本演芸場を伊達市でも開催している。

てな感じで札幌成金からもうすぐ4年だが、

4年前(溝手が)顔も名前も知らなかった二つ目さんたちは、

この4年間で一気に成長していった。

第2回福北寄席、梅本演芸場の1回目に出演した

柳亭小痴楽さんは、2019年9月に真打昇進。

第1回をはじめ福北寄席には札幌、三笠で3回出演の

瀧川鯉八さんも2020年5月に真打昇進。

第3回、前回の特別公演、第3回梅本演芸場に出演した

桂宮治さんは、来年2月、春風亭昇太師匠以来29年ぶりとなる5人抜きでの真打昇進が決定。

そして神田松之丞さんは六代目・神田伯山を襲名し、

今や「日本一チケットの取れない講談師」と言われる活躍ぶりだ。

「彼らの面白さを札幌でもどんどん伝えていきたいんです」

と話していたN君の願い通り彼らはどんどん大きくなっている。

最初に会った4人が4人とも真打だもんなぁ。

ちなみにこれ。2017年1月の「札幌成金」終了後の打ち上げの席で。

演者4名はみんなそれぞれに面白い顔してるのに、

溝手(奥・一番右)は、普通にVサインしているだけと、ここが芸人との差なんだろうなぁ、なんてこの写真を見ても感じるな。

ちなみに前列の黒ずくめの男がN君。

お前はどこへ向けたポーズをしてるんじゃ!


そぉんな感じでスタートした札幌での落語公演もまる4年。

札幌福北寄席は今年12月で2周年を迎えます。

記念すべき2周年のステージを彩ってくれるのは、瀧川鯉八さん。

5月に真打昇進後、初の札幌での舞台は、福北寄席初の試みとなる独演会になります。

2時間たっぷり鯉八ワールド。

いろいろあった、いろいろありすぎた

2020年の師走。

おおいに笑ってくださいませ。

第12回福北寄席【瀧川鯉八独演会】

2020年12月11日(金)18:30開場19:00開演21:00終演予定

会場:札幌時計台ホール(札幌市中央区北1条西2丁目 時計台2F)

前売2500円 当日3000円

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