テレビドラマ

不適切にもほどがあるで好きなシーン

今クールドラマでもっとも話題になったドラマのひとつ
不適切にもほどがある。

昭和と令和
昭和はこんな時代だった
今と昭和のギャップ
などあぁだこぉだと語られ、もちろんそのエピソードは面白いのだが、
個人的には「昔はこぉだった」「今はこぉなってる」って設定を入れながら
おかしな人間関係やムカつく奴を茶化したり批判したリを入れるクドカンワールドが好きだ。

個人的に好きなエピソードのひとつ。

1986年
キヨシが不登校を続けているクラスメイトの佐高君の家に通うシーン。
学校関係者やクラスメイトは佐高君を学校に通わせたいが本人は行かない。
そこへキヨシが訪ねる(までにもいろいろあったが)。
佐高君の部屋でキヨシは一緒にゲームをする。そして帰る。
次の日も一緒にゲームをする。また帰る。
佐高君は「キヨシは学校に誘わないんだ」と不思議がりながらゲームをする。
そのうちキヨシ以外のクラスメイトも佐高君の家に遊びに来る。
佐高君の部屋がクラスメイトの溜まり場になり、
当たり前にゲームをする。
佐高君は思う。
これじゃ学校と変わらない
「学校行こうかな」
で、ずっと不登校だった佐高君が学校に行くことになる。
すると・・・
気合満々の担任。
「佐高君、よく来てくれた」
クラスのみんなに祝福されて教室に入ると、
黒板に「佐高君お帰り」の文字。
さらに絶対一度も話したことも無いと思われる校長先生が待っていて
「よく学校に来た」と拍手。
こぉんな,

おぜん立ての翌日。
佐高君は再び不登校になる。

ドラマ見てない人からしたら全く中身がわからないかもしれないが、
このながれ、とても好き。

これは1986年に起こっているシーンで、2024年の未来人キヨシが未来の道具やスキルを一切使わず佐高君自らに学校へ行く意思を持たせた。

ある種、北風と太陽の原理。
そしてせっかくコートを脱がした太陽君を一瞬で固まらせる学校サイド。

1986年も2024年も同じだなと思う。

これ学校での話しだけど、社会でもあるよね。

イチ営業マンが長い時間かけて築いた取引先。
営業マンと取引先の人間同士の信頼でようやく大きな仕事になろうとする。

そこで営業マンの上司。
「よーし、よくやった。あとは俺に任せろ」
取引先の社員数も支店数も業績もほぼ知らない上司が突然しゃしゃり出る。
困惑する取引先。
「今回は無かったことに」
時間をかけて築いた付き合いを一瞬でぶち壊す。

これに似てる。

1986年も2024年も同じ。

結局は人間関係なんよ。

その入り口が電話でもラインでも。
集会でもSNSでも。
クラブ、サークル活動でもコミュニティ、オフ会でも。
合コン、ねるとんでも出会い系アプリでも。

そこ間違えたらどこの世界でもうまくいかないのさ。

こんなシーンが今と過去のあっちゃこっちゃで繰り広げられる。

タイムマシーンの大筋や昭和小ネタの話題性の中に隠れさせているが
人間関係の皮肉やディスリの散りばめ具合が好きである。

あぁ、今週で最終回だ。
終わっちまう。
寂しいな。