社長の感想文

映画コンフィデンスマン.JPにノックアウトされた話

一応表現者の端くれを気取ることもあるので、

あまり他人の作品を手放しで褒めることはしていない。

日本のメディアを席捲し、巨額の富と多くのファンがいる

ミュージシャンやクリエイター、タレントやアーティストに対しても、

「今回はなかなか面白かったんじゃないの」

「前作に比べたら勢いが落ちたかな」

など本人やその関係者に聞かれたら

「テメーはなんぼのもんじゃ!!」

と袋叩きに合っても文句の人も言えないくらい

生意気なことを言ったり書いたりしてる身であるが、、、

すみません(誰に謝ってるんだ???)。

これ、文句の一つも言えません。

映画・コンフィデンスマン.JP

テレビ版からすべて見ているが、回を追うごとにレベルアップし、

最終回から久々のテレビ版でガツンとやられ、

さらに映画版でガツンガツンとやられてしまった。

映画のあらすじや最後こうなるとはといった

ネタバレや感想をここに書いても仕方ない。

さっきも書いたが表現者の端くれの気分でいるので

普段は絶対こんなことを書きたくない一言を書く。

「どうやってこのシナリオ作ったんだろ」

書いてて恥ずかしいが、見終えて最初に出た言葉がコレ。

伏線に伏線を張ってのどんでん返し。

どのドラマでも小説でも映画でも、ラストシーンをいかに読者、視聴者に読ませないか。そしていい意味で裏切らせるかに作り手は力を入れる。

しかし読者もバカじゃないので、物語の途中で発生する伏線や

不自然なセリフ、映像に

「あれ、これって???」

などと先を読む。

それが当たってると

「やっぱりそうだったのかぁ」

と視聴者に優越感を与える。

刑事ものの犯人なんかは特にそう。

その伏線があまりにも安易すぎると

「え、こんなオチ??」

と非難を浴び、

それが凝って凝って凝り固まると

「難しいよ」

「わけわからないよ」

と読者、視聴者離れになる。

そのちょうどいいあんばいの伏線が、視聴者心をくすぐられるのだが…。

コンフィデンスマン.JPは、ラストでこの日の答え合わせとばかりに

回想シーンによってこの日の伏線をばらす。

この伏線がお粗末だと「おいおい!」となるのだが、

この伏線がお見事なのだ。

これねー

これかー

と感心させられる。

だから恥ずかしいが、こう思ってしまう。

「どうやってこのシナリオ作ったんだろ」

全ての伏線を回収し、納得して映画館を出た私は

伏線をすべて知ったうえで思う。

「もう一度見たい」

と。

まいりました、である。