コミュニティラジオの頃

(45)ASOBIDAS(中編)

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コミュニティラジオの頃 はじめに

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前編はコチラ

いろんな「遊び」をしちゃう番組「ASOBIDAS」。

この中で○○に何を混ぜたら美味しい?の実験シリーズは、

ご飯にインスタントコーヒー、

ラーメンにトマトケチャップと

罰ゲームモードが続き、

「もう辞めたい」と思っていた矢先の

ハンバーガー、何挟んだら美味しい?

に届いた

豚キムチと酢豚。

正直この時点ではまだ罰ゲームの延長かなと思いながら番組を進行したのだが、

生放送中に食べた豚キムチバーガーと酢豚バーガーは

美味しかった。

まぁ、どちらもご飯と会う食材だし

パンとだって合うわなぁ、、と今になれば普通に思うが

食べて「不味い」と叫ぶだけだったコーナーで

「美味い」が出たわけだ。

これは、せっかく出た「美味い」を次の展開にもっていこう。

その翌日。

帯広市内のパン屋に

「豚キムチバーガー」と「酢豚バーガー」を販売しませんか?

と売り込みの電話をする。

電話帳から(当時はまだネットがないのだ)、帯広市内の有名なパン屋を見つける。

1件目・・・今担当いないのでこちらから折り返します・・・結局来ない

2件目・・・はぁ?そういうのウチやってないので

3件目・・・うちはチェーン店なので独自の商品は出せないので

こんな感じで、こちらのトライの気持ちが一気に萎えかかったのだが

4件目のお店が食いついてくれた。

電話帳の50音順に電話をかけて「ま」の欄のパン屋さん。

ますやパン。

帯広の有名店で、溝手も何度か利用していた。

総菜パンのメニューが多い店だったのでひょっとして??の期待もあった。

こちらの趣旨を説明すると、折り返し連絡するとのこと。

これは折り返しが折り返さないパターンか???と思ったが

その日のうちに電話が来た。

「社長が会いたいといってます。うちでサンプルつくりますので一緒に試食会開きませんか?」

おぉ、展開が早い!

てことでその数日後。

指定されたオフィスへDATレコーダー片手に私とスタッフは訪れる。

案内された場所は、広い会議室。

そこには社長、工場長、店長、それから・・・次々偉い肩書の名刺をもってる人が私に挨拶してくる。

こっちはユニクロのトレーナーとジーンズよ。

なのに丁寧にあいさつしてくれる。

ヤバッ、これは罠だ。逃げよう・・・あっ、入り口のドアが閉められた。

逃げる機会を逃した私は席に着く。

席に着くとますやパンの社長から

「この度は面白い提案をありがとうございます」

と言われる。

おっ、逃げなくていいやつだこれは。

その後、工場長の説明の中、ますやパンで作った試作品

豚キムチバーガーと酢豚バーガーを食べる。

我々がスーパーの総菜で買ってきて何となくパンに挟んで食べた

それと比べても格段に美味い。パン屋なんで当たり前だが。

レコーダーを回しながらなので

「うまい」「すごい」「さすがますやパン!」

などとよいしょしながらもいよいよ本題に突入する。

「で、あのぅ・・・これってますやパンで販売してもらえませんか?」

地元の有名なパン屋さんで、おそらく詩作に試作を繰り返し新商品を発売しているであろうますやパン。

突然電話して、パン作ってってお願いして、美味しいから発売してください、

なんて甘い話があるわけ・・・

「いいですよ」

あっ、いーんだ!

拍子抜けすることあっけなく了承される。

てことで、我々が番組で思い付きで始めた企画

ASOBIDASから生まれたハンバーガーが

ますやパンの店頭に置かれることになったのである。

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