コミュニティラジオの頃

(49)ファンとの怖い思い出

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コミュニティラジオの頃 はじめに

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ラジオで毎日話していると、

少ないながらもファンが出来たりした。

ファンレターやプレゼントをもらったり

2月14日になるとファンからチョコレートをもらったり。

当時の帯広の小中学生で

生まれて初めての手作りチョコレートはみぞっち

という子も何人かはいたはずだ。

当時の小中学生も今では30、40代かなぁ・・・。

そういうファンからのリアクションはもちろんうれしいが、

なかには時々怖い思いをしたことがある。

溝手のいたラジオ局は、公開放送スタイルになっていて

放送ブースをわいわい広場と名付けられたスペースから見学することができる。

スタジオとわいわい広場はガラスで区切られていて会話をしたりはできない。

たいていのリスナーは、そこから我々の放送を見て、手を振ったりする程度なのだが、

たまにそこから喋り手にアプローチする人がいる。

曲の間とかにメモした紙をガラス前に張り出す。

「私クラスで浮いてる存在なんですが溝手さんから見てどう思いますか?」

次に読むメッセージとリクエスト曲を準備する4-5分の間にそんなメッセージを突き付けられて俺は何を返したらいいの。

当たり障りのないことを返していたが、質問のラリーがずっと続く。

30分くらいそれが続き、さすがに勘弁と思い、

「ごめん、放送集中できないから質問あったら普通に番組にちょうだい」

と書いた紙をガラス越しに見せたら

それまで書いていた目の紙をビリリッと破り捨て

そのまま帰ってしまった。

怖ッ…と思ったが、放送は続く。

その後の放送では、喋りを噛んだり止まったりとそれなりに動揺していたのを思い出す。

放送を終えて夜遅く、局の電話が鳴る。

電話に出ると、、、多分さっきの女の子。

「溝手さんだけは信じてたのに…裏切られました」

そう言い残して電話が切れた。

裏切ったの???俺???

当時の電話は着信記録が残らないので

こちらから折り返し電話もできない。

そもそも彼女の名前も知らない。

だけど溝手は裏切ったらしい。

何もできないまま時は過ぎる。

幸い女子高生が自殺したというニュースは出ていないので生きているとは思うが…。

これが25年前の話だから、彼女は今40歳前後か。

もし見てたら連絡を…ってきたらキタで怖いか(笑)。

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