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ラジオでボロクソ言いながら
「ゲストに出てくれたら面白いじゃん」
と事務所に手紙を出した3日後、
マネージャーを名乗る男から電話が来た。
マネージャーは現状のアイドルさんの活動や
ニューアルバムのことを私に話し
プロモーション活動中ですので是非紹介して欲しい。
電話ゲストでしたら可能
とのことでした。
「おぉ、○○ちゃんが溝中のラジオにゲスト出演だ!」
と口に出さずに喜んでいると、
「番組で○○のこと話したと手紙に書いてましたが、その同録テープ送っていただけませんか」
と当たり前のお願いが。
「はいわかりました」
といったものの、、、番組で話した内容といえば
「アイドルでうまくいかずシンガーになっていた」
「アイドルは捨てたわりには、プロフィールに載っているのはアイドル時代の栄光ばかりじゃないか」
まぁ、とてもゲストに出てくださいと頼む番組内容じゃないし、
ゲストに行きます!とは言わないだろうなぁという内容。
でね。
今の冷静な溝手なら、そんな悪口三昧の同録送らず
N君と「○○ちゃんのファンでした」とか
「アイドルからアーティストへの転身うまくいってほしいですね」
といった心の中はともかく体裁を整えた内容のものを取り直して送ることもあったのだが、
心の中の当時の溝手⇒忙しいから録りなおすのもなぁ、まぁいいや送っちゃえ
悪溝手⇒これ送って先方から断られたってのも次のラジオのネタにできるだろ
と、○○ちゃんのこと言いたい放題だった同録を事務所に送った。
そのことをたまたまその日別の番組の収録で局に来たN君に話すと
「なんで同録送っちゃったんですか!○○ちゃんと話すチャンスだったのにぃ」
と絶対断られる前提でN君は溝手を責める。
まぁそうだよなぁ、でも溝中のラジオは音楽番組でもアイドル番組でもないからニューアルバムのプロモーションインタビューをただ流してもなぁと思っていたので、同録送ったら断られたってのは番組的には面白いと制作側として考えていたのだが、
制作側としてはもっと面白い展開が待っていた。
その何日か後に、「同録聞きました」というマネージャーから電話が。
そして
「ぜひ電話出演でプロモーションお願いします」
え、、、マジですか?
「あの・・・同録聞いたんですよね」
「はい。○○も聞きました」
「○○ちゃん、、怒ってませんでした?」
「怒ってはいませんが思うことあったみたいです」
思うこと…深いぞ。
「でも本人が出演を受託しました」
マジかい。
溝手はN君に電話する。
N君は「溝手さんなんで引き受けたんですかー」
と電話越しに怒鳴る。
だってN君、○○ちゃんと話したいって。
「話したいけど、あれだけ言いたい放題話した番組聴かれた後ですよ。僕何話したらいいんですか」
まだ何か文句を言いたそうなN君だったが、こういう時はこの一言を言えばだいたいのことがおさまる。
「N君、これがラジオなんだよ」
もしN君に「なにがラジオなんですか?」と聞かれても
100%納得させる返答はできない。
なのにN君は「わかりました」と覚悟をしたようだ。
これがラジオってなにがラジオだ?
番組でボロクソにこき下ろした元アイドルでミュージシャンの○○ちゃんが、
我々の番組に電話ゲスト出演することが決まった。
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