溝手の読書日記

読書アウトプット(17)推し、燃ゆ

宇佐美りんの小説。

2020年下半期の芥川賞作品で

2021年本屋大賞にもノミネート。

芥川賞受賞時21歳の若さの小説家作品である。

学校とも家族ともうまくいかない、主人公の女子高生あかりが

アイドルグループの男性を「推す」物語。

と書いてしまうと単純だが、

「推し」のためにバイトし、プライベートを犠牲にし、

なのに「推し」はSNSを炎上させたり、いろいろあって。

それでも「推し」のことを考える。

そしてさらに学校と家族から孤立する。

全体的に暗い話で

これを文学と呼ぶそうなので、溝手は文学センスがないのだと思う。

設定にツッコミを入れると

「推し」のためにCDいっぱい買って投票するのはいいが、

4人組アイドルのうち1人が女性って設定は必要だったのかな。

人気投票って部分に着目するなら

8人組男性アイドルとか、

もっと人数増やしてWESTとかEASTとか派閥をつけて、、、とか。

たぶんこの小説のファンや文学的な見方をすると

「いや、そうじゃないんだよ。この作品が言いたいのは・・・」

と言われるんだろうが。

ネタバレ防止で詳細は書かないがラストシーンも不満。

見たのなら見た先が欲しい。

それが絶望でも一瞬の希望でも

本人だけが希望と思った勘違いでもいいし、

どちらにでもいいから極端なラストシーンが欲しかった。

ハッピーエンドでもアンハッピーエンドでも、ガシッといかないのがこの作品が評価されたってことなのか?文学って難しいな。

推し、燃ゆ 宇佐美りん(河出書房)