宇佐美りんの小説。
2020年下半期の芥川賞作品で
2021年本屋大賞にもノミネート。
芥川賞受賞時21歳の若さの小説家作品である。
学校とも家族ともうまくいかない、主人公の女子高生あかりが
アイドルグループの男性を「推す」物語。
と書いてしまうと単純だが、
「推し」のためにバイトし、プライベートを犠牲にし、
なのに「推し」はSNSを炎上させたり、いろいろあって。
それでも「推し」のことを考える。
そしてさらに学校と家族から孤立する。
全体的に暗い話で
これを文学と呼ぶそうなので、溝手は文学センスがないのだと思う。
設定にツッコミを入れると
「推し」のためにCDいっぱい買って投票するのはいいが、
4人組アイドルのうち1人が女性って設定は必要だったのかな。
人気投票って部分に着目するなら
8人組男性アイドルとか、
もっと人数増やしてWESTとかEASTとか派閥をつけて、、、とか。
たぶんこの小説のファンや文学的な見方をすると
「いや、そうじゃないんだよ。この作品が言いたいのは・・・」
と言われるんだろうが。
ネタバレ防止で詳細は書かないがラストシーンも不満。
見たのなら見た先が欲しい。
それが絶望でも一瞬の希望でも
本人だけが希望と思った勘違いでもいいし、
どちらにでもいいから極端なラストシーンが欲しかった。
ハッピーエンドでもアンハッピーエンドでも、ガシッといかないのがこの作品が評価されたってことなのか?文学って難しいな。