ある作家さんにインタビューし、原稿チェックも通り、
冊子になった自分のインタビュー原稿を読んでみると、
なんと私が書いたものと全く異なるものに変わっていた。
「あの・・・○○さんのインタビュー記事なんですけど」
編集担当に電話すると
「あぁ溝手さんに報告しようと思ったんですがごめんなさい」
作家の所属する事務所からダメ出しが出て何か所が直しが入った。
締め切り日も近かったので、所属事務所の人と編集者でやり取りして原稿は完了したという。
「何か所か直しただけだったし、溝手さんお忙しいと思ったのでこちらでやりました」
というが・・・
その何か所か直した部分が、インタビューの肝だったり、作家の言葉を伝えた部分だったのですわ。
エピソードやありきたりの感想の合間に「本音」や「毒」や「野望」をちりばめた文章が
「本音」や「毒」や「野望」 の部分がすっぽり抜けて
エピソードやありきたりの感想だけのインタビュー原稿に。
だけどインタビュー・文には溝手の名前が。
いやいや俺こんなの書いてないよ。
書いた文章を勝手に変えられ、勝手に返られた文章の責任者になっているのも納得できないが、それ以前にこの変えられた文章を作家さんはチェックしたのかな?
作家さんも溝手同様に大幅修正されたインタビュー原稿の存在をもし知らずに読んだとしたら
「あのインタビューした奴、俺の送った原稿と全然違うこと書きやがって」
と思っただろうな。
1時間も話していただいた作家さんに申し訳なかったし、
自分が書いた文章を断りもなしに変えられた編集にも頭が来るし、
このなんの変哲のない文章が溝手の力量と思われたら腹が立つ。
なぁんてことは思って当時は一人で怒っていたな…何てふと思い書いてみた。
ちなみにあのあとあの出版社とは仕事をしなくなったし、
インタビューを受けてくれた作家も、いつのまにか文学界からフェイドアウトしている。