コミュニティラジオの頃

(68)金様のラジオの話4

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放送スタートの一か月前。

金様のラジオ出演3人の初顔合わせ。

溝手

大学生のH

女性パーソナリティのN

HとNは初対面なので挨拶から。

で、こんな番組にしたいですというコンセプトを溝手が話す。

Nとは一緒に番組を作っていたこともあるのでそれほど心配はしていなかった。

問題はH。

ひと通り説明を終えてHに聞くと

「いいと思います」

いい?何が?

「溝手さん面白い方ですからきっと楽しい放送になると思います」

その後2年間一緒に番組を作り、Hの人間性を知ってからならなんとも思わないことだが、

当時は、なんで年下の大学生に「面白い方」なんて言われなきゃいけないんだよ!

と、勝手にカチーンときていた。

まぁ、そうはいっても3人で放送を始めなくてはいけない。

まずは手始めにフリートークの練習がてらの収録を行う。

それぞれが進行になり、他の2人が相方となり5-10分程度の話。

というテーマでまず溝手が進行。

何を話したか忘れたが、いつものみぞっちトークをした。

続いてN。恋愛の時の男性の気持ちみたいなことを話して

男2人が「いやそれは違うよ」とか「そこは女性がさ…」みたいに合いの手を打つ。

深夜番組と恋愛の相性はいいので、良い感じのトークができた。

そしてH。

なんの話をしたかは忘れたがとにかく空回り。

そして空回り過ぎて合いの手の打ちようがない。

こりゃやばいな。

その時の溝手の本心は、

もう一人の大学生のように

「就職活動が忙しくて辞退させてください」

とHが自分から言わないかなと思っていた。

ところが収録を終えた瞬間、Hは自信満々の顔でこう言うのだ。

「やー、楽しいですねラジオって。こうやって好き勝手喋ったら深夜放送みたいですね」

ハァ???と言葉には出さないが思う溝手。

しかし逆に考えれば、この能天気な発想と空気が

深夜放送にふさわしい存在になるってことを

この当時はまだ気づいていなかった。

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