K社の タウン誌でサッカークラブのレギュラーページをもらった溝手。
月2本の仕事で「フリーライター」と肩書の書いた名刺を作り、
ライターよりもコールセンターのバイト代の方が圧倒的に多かったころ、
原稿受け取りや打ち合わせでk社の編集部にも顔なじみが増えてきた。
「なんかあったら声かけてくださいよー」
なんて軽く声かけて
「なんかあったらお願いしますね」
との社交辞令の声。
フリーライターになって一か月ちょっと、
フリーライター2つ目の仕事が決まる。
時は年末。
ここで出版業界の印刷事情を少し書く。
出版したものを印刷するのは印刷会社。
その印刷会社は年末、GW、お盆と
世間の会社同様に長い休みに入る。
印刷会社が長い休みに入ったからって、
出版されるものは休みになることはない。
当時のK社のタウン誌は隔週誌。
2週間に一冊のペースで発売され、
印刷会社もそれに付き合う。
そのなか、年末から年始にかけて10日ほど印刷会社は休む。
休んでいる間も出版物が出る。
するとどうなるか?
原稿締め切りが早くなるのだ。
たとえば
11/10-24までに取材執筆したものが11/20から印刷所で作業が始まり11/28に発売されるとする。
そうするとこんな感じで2週間程度のスパンで取材ライターや編集者、印刷所が動いているのだが
12/27-1/6まで印刷所がお休みです
となった場合、
12/25に発売されるタウン誌と
1/8に発売されるタウン誌が
12/26の印刷会社最終日までに原稿もろもろを送らなくてはいけない。
2週間に一度の締め切りのはずが
12月と4月と8月だけは月に3回の締め切りが入るって計算になるのだ。
年末年始は特に忙しく業界では年末進行なんて言葉が使われる。
当時のK社には、特集の取材をする編集プロダクションが4-5社あったはず。
そこにフリーのライターが絡み運営されている。
その編プロ、ライターにしても
K社以外の出版社や新聞社などの仕事も受けている。
そしてみんな御多分に漏れず年末進行なわけだ。
みんな忙しいわけですよ。
で、1月に発売されるタウン誌の取材チームが足りなくなったらしいんです。
どうしよう?
あ、そういえばサッカーの取材してるフリーライターの人、仕事くださいって言ってなかったっけ?
あ、そうだね、じゃあ頼んでみようか
・・・となったかどうかはわからないが、年末進行のドタバタの中で
溝手のフリーライター2つ目の仕事の依頼が来た。
たしか12/22くらい。
もう年末だよ…。