フリーライター時代

(3)年末進行のどさくさで仕事をもらう

フリーライター時代はじめから読む

K社の タウン誌でサッカークラブのレギュラーページをもらった溝手。

月2本の仕事で「フリーライター」と肩書の書いた名刺を作り、

ライターよりもコールセンターのバイト代の方が圧倒的に多かったころ、

原稿受け取りや打ち合わせでk社の編集部にも顔なじみが増えてきた。

「なんかあったら声かけてくださいよー」

なんて軽く声かけて

「なんかあったらお願いしますね」

との社交辞令の声。

フリーライターになって一か月ちょっと、

フリーライター2つ目の仕事が決まる。

時は年末。

ここで出版業界の印刷事情を少し書く。

出版したものを印刷するのは印刷会社。

その印刷会社は年末、GW、お盆と

世間の会社同様に長い休みに入る。

印刷会社が長い休みに入ったからって、

出版されるものは休みになることはない。

当時のK社のタウン誌は隔週誌。

2週間に一冊のペースで発売され、

印刷会社もそれに付き合う。

そのなか、年末から年始にかけて10日ほど印刷会社は休む。

休んでいる間も出版物が出る。

するとどうなるか?

原稿締め切りが早くなるのだ。

たとえば

11/10-24までに取材執筆したものが11/20から印刷所で作業が始まり11/28に発売されるとする。

そうするとこんな感じで2週間程度のスパンで取材ライターや編集者、印刷所が動いているのだが

12/27-1/6まで印刷所がお休みです

となった場合、

12/25に発売されるタウン誌と

1/8に発売されるタウン誌が

12/26の印刷会社最終日までに原稿もろもろを送らなくてはいけない。

2週間に一度の締め切りのはずが

12月と4月と8月だけは月に3回の締め切りが入るって計算になるのだ。

年末年始は特に忙しく業界では年末進行なんて言葉が使われる。

当時のK社には、特集の取材をする編集プロダクションが4-5社あったはず。

そこにフリーのライターが絡み運営されている。

その編プロ、ライターにしても

K社以外の出版社や新聞社などの仕事も受けている。

そしてみんな御多分に漏れず年末進行なわけだ。

みんな忙しいわけですよ。

で、1月に発売されるタウン誌の取材チームが足りなくなったらしいんです。

どうしよう?

あ、そういえばサッカーの取材してるフリーライターの人、仕事くださいって言ってなかったっけ?

あ、そうだね、じゃあ頼んでみようか

・・・となったかどうかはわからないが、年末進行のドタバタの中で

溝手のフリーライター2つ目の仕事の依頼が来た。

たしか12/22くらい。

もう年末だよ…。