楽天の送料無料への波紋と楡修平のラストワンマイル

今日の朝日新聞の記事。

「送料無料」見直し不可避 楽天のアマゾン対抗策、公取委懸念

これ読んでたら10年前に読んだ小説のこと思い出した。

今日の朝日新聞の記事。

ラストワンマイル/楡周平

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
本当に客を掴んでいるのは誰かー。暁星運輸の広域営業部課長・横沢哲夫は、草創期から応援してきたネット通販の「蚤の市」に、裏切りとも言える取引条件の変更を求められていた。急速に業績を伸ばし、テレビ局買収にまで乗り出す新興企業が相手では、要求は呑むしかないのか。だが、横沢たちは新しい通販のビジネスモデルを苦心して考案。これを武器に蚤の市と闘うことを決意する。

楽天ブックス

あくまでもフィクションの小説ではあるが、
書かれている企業ややり取りは実際に会った話も紛れていて
かなりリアルな話である。

暁星運輸は佐川急便(ヤマト?)
蚤の市は楽天(でありライブドア)さ。

で、暁星運輸は蚤の市の草創期からずっと組んでいて
コンビニでの配送サービスを始めてこれが大当たり(今では当たり前だけどね)。

蚤の市のコンビニ着の宅配は暁星運輸が独占していたのだが、
ある日蚤の市から取引条件を変更しよう!と持ち掛けられる。

配送手数料の値下げ

おいおいそんなに安くなったらうちに全然利益出ないじゃないかーい、と
運輸側が言うと
じゃあ複数社で見積もり出しましょう
と。

言葉には出さないが
「うちは負担する送料手数料が減ったほうがありがたいんだからあんたんとこじゃなくてもいいんだよ」

てなわけで民営化された郵便局が暁星運輸よりも安い手数料で名乗り出てくる。

おいおい、今まで一緒に仲良くやってきたじゃないかー…

なぁんてときに
蚤の市がテレビ局買収に乗り出す。

テレビ局は蚤の市の力は借りたいが、このまま言いなりになってもぉ・・・

蚤の市は、テレビを手に入れればうちは無敵じゃーーーと、

そこに割って入るのが暁星運輸。

通販の新しいビジネスモデルを作って、

テレビ局やネット通販会社からイニシアティブを奪ってしまおうという話。

小説の中身が気になる方は買って読んでくださいな。


これってもう10年以上前の話なのだが

楽天が台頭し

IT企業が乱立し

郵政が民営化され

ネットショップ全盛で宅配業者がどんどん大忙しになり

テレビ局の買収騒動が起きた。

実際にあった話と作られた話、

それらがごっちゃになっていて

すべてはフィクションというわけでもなく

ノンの部分も混ざりながらのストーリーには、

当時ガンガン引き込まれながら読んだ記憶がある。

この物語の主人公は

ネットショップ側でもテレビ局側でもなく、暁星運輸。

「送料安くしてよ」
「勘弁してくださいよー」
「見積もりだして、他社と比べるから」
「勘弁してくださいよー」

の「勘弁してくださいよー」側。

蚤の市は、商品というコンテンツを持っている。

テレビ局は番組というコンテンツを持っている。

暁星運輸は・・・

という立場を逆転させるための発想が

「最後の1マイルは俺たちが握っている」

どんなにいい商品をネットで紹介しても

テレビショッピングで紹介しても

それを運送会社が届けないとお客の元には届かない。

ラストワンマイル。

その橋渡しをする暁星運輸が、自分たちの誇りとプライドをかけて

大手会社や新興会社に挑む物語。

この作品って最初に発表されたのは2006年なんだそうだ。

でも中身は古くない。

それどころかこの本の中で描かれている問題がいまだ揺れ動いていて

しかもまだ解決していないものも多々ある。

ラストワンマイル

料理の大天才シェフのもとに、誰も食材を提供しなければ、どんな大天才シェフの店でも潰れてしまう。

七色の声を持つ天才ミュージシャンでもマスコミ、芸能、音楽会社が使わず、どこのライブ会場も出入りさせてくれなければ、ただの歌のうまい人に成り下がってしまう。

経済はどうして成り立つのか。

お金は何で回っているのか。

その回りを止めたり、おかしな動かし方をしたら、その負担はどこにかかるのか。

全然頭に書いたニュースのことに触れてないが(笑)、

そのニュース、そして10年前に読んだ小説のことを思い出し、なんかちょこっとだけなんだろうけど

何かと誰かが変わるだけで、ちょこっとだけいい軌道修正できるんじゃないの???

と思いきりぼかしたこと書きながら思ってしまった。

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