基本ダジャレが嫌いです。
ダジャレを言って相手の出方を待つ人と仕事をしたときは、クマを見た時並みに死んだふりをします。
と書きながら「お前も言うときあるじゃないかよ」と言われたら否定しません。
私が言うのは、しょーもないシャレか、言葉遊びです。
「何が違うんだよ」
多分違わないと思います。
自分から発する言葉は意味があって同じ言葉を他人が発したら面白くないなんてただのエゴ太郎ですから。
・・・と、エゴ太郎なんてこと書く時点でしょーもない人ですからね。
でもこんな自薦他薦しょーもない人ですが、人間的には立派でもお笑いセンスさんがさしてない人が、
ダジャレとかテレビの流行語に寄せた言葉を言った時、私は死んだふりをします。
むかし、取引先の方がが放つダジャレを私が無視してると、
「あれ、今の言葉意味わからなかったかな?」
と言われた時があります。
その瞬間、笑いました。
誰でもわかるくだらないシャレを発したのに、それを私が理解できていないと心配している。
その行為に笑いました。
相手は一呼吸おいて、自分のダジャレが受けたと思って機嫌をよくして取引が決まったことがあります(もちろんそれだけで決まったわけじゃないが)。
後日、共通の知人から、そのダジャレさんが私のことを「あいつは笑いのセンスがある男だ」と褒めていたと聞きました。
不覚にも笑ったあの日のことを後悔したのは、言うまでもありません。
ラジオ局にいたころは「俺は面白いんだぞ」オーラを出した、かなりイタイ奴だったもので、
周りは腫物を触る感じで付き合うか、本当に面白い人と勘違いしてくれる人ばかりでした。
ある時、親会社が主催する落語会の招待券をいただき、局のスタッフ数人で見に行きました。
出演者は、名前は書きませんが国民的バラエティに出てる人とか、有名な落語家さんばかりでした。
会場内は爆笑に次ぐ爆笑です。
日曜のあの番組の裏話や
誰と誰が仲悪いだ
あいつは腹黒いだ
あの人はもうすぐあの世に行くだ
そんなトークで場内は沸いているわけです。
で、みんな笑っているのですが、一緒に行ったスタッフたちは笑いながらも何分に一回か私の顔を見るんです。
そして1人終え、出囃子が流れると
「どう?」
とか
「さすがだよね」
とか私に聞くのです。
かなりイタイ奴とはいえ、人が楽しんでる場を壊す気はないので
「うん」
とか
「そうだね」
とか適当な言葉を言ったと思います。
でも顔に出てたんでしょうね。
私がそれほど満足そうな顔をしていないのが。
帰り道、みんな私に気遣いながら落語の感想を言い合ってるんです。
なんでしょうね。落語なんて年寄りが見るものって偏見があったのかな。
あと、テレビに出てる人のテレビの裏話で笑うと負けと思ったのかな。
たぶん意地になって笑わなかった・・・んだろうな。
あれから25年経って、
まさかそんな落語会の企画運営をしているなんて。
あの頃の私に話したら驚くだろう・・・
いや、驚く前にこう言うか。
「いいから、そういうくだらない嘘は」
・・・と。
お後がちっともよろしくないなぁ。