映画

寺門ジモン監督映画「フードラック!食運」レビュー

「有吉弘行のsunday night dreamer」に寺門ジモンがゲストに出演した回を聞いた。

ダチョウ倶楽部の寺門ジモン。

いつの頃からか忘れたけど、筋肉、食通、ネイチャーと

お笑いとは一線を置いたキャラクターで活躍している。

今では掃除だ料理だ家電だスポーツだと

特技や趣味を生かした芸人が当たり前に増えまくっているが、

芸人がお笑い以外で仕事の幅を広げていった先駆者のひとりが

寺門ジモンなんじゃないかな。

そんな寺門ジモンのライフワークの一つ

「肉」、「食」をテーマにした映画が

「フードラック!食運」

ラジオでの寺門ジモンのトークによると、

映画会社からは焼肉をテーマに映画をと依頼があったらしい。

おそらく寺門がテレビや配信でしているようなもの、

を意識した依頼だったのかなと思うが、出来上がったのは

元焼き肉屋の息子がフリーライターとなり、

病気の母が昔作っていたぬか漬けの味を探す食の旅。

ここが物語の軸となる。

焼肉が主役!といいながら、ぬか漬けかい!

とツッコミはあるが、食への思いが深い

寺門ジモンらしい「食」にこだわった作品。

ベタな展開ではあるが、それらをサポートすべく

焼肉のシーンは、100%映画を見終えてから肉食いたくなるだろうって「絵」。

昔、漫才ブームを終えてそれほど活躍していなかった頃の島田洋七が書いた本を読んだことがある。

その中で洋七は、

人間の一生の中で人に伝えたいことの1つや2つは絶対ある。

その伝えたいことの集大成を形にすれば、必ず人に伝わる!

みたいなことを書いていた。

それから数年後、洋七は幼少時代のお婆ちゃんとのエピソードを

伝えたいこととして本気で伝え、それが「佐賀のがばい婆ちゃん」として大ヒットした。

それでいうと寺門ジモンの「伝えたい集大成」が「食」。

お笑い芸人の映画作品なのに笑いは一切なし。

自らの出演も一切なし。

食運で人生を切り開く男の話に伝えたい集大成を賭けた

寺門ジモンの映画。

寺門ジモンだから・・・

焼肉だから・・・

と見る前に内容を軽視している人にはぜひ見てほしい映画だ。