溝手の読書日記

読書アウトプット 木曜日にはココアを

木曜日にはココアを
作:青山美智子
宝島文庫



わたしたちは、知らないうちに誰かを救っているーー。川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。小さな喫茶店「マーブル・カフェ」の一杯のココアから始まる12編の連作短編集。読み終わった後、あなたの心も救われるやさしい物語です。インスタフォロワー数200万人のミニチュア写真家・田中達也氏がカバーを手がけています。


(出版社の内容紹介より)

喫茶店マーブル・カフェを舞台にした連作短編集。

物語の中ではそれぞれ主人公がいて、わき役がいる。

ある物語ではわき役だった人が次の話では主人公になったり、

その話でさりげなく出てきた人物がまた別の回では大事な役回りになっていたり。

ボンヤリ読んでいると「あぁ、あの人がこれか!」というのを見逃してしまい、

2回読んでやっと連作のながれを理解しました。

12の話があるのだが、どれも誰も傷つかず

そしてとんでもなく大きな展開が待っているわけではない。

1話1話が短いので移動中、寝る前なんかにサクッと読めるストーリー。

その代わりサクッと読んで1週間とか経ったら全話で出てた人の存在を忘れ読み直したのだがw

ちょこっとだけネタばらしを書くと

12話のうち1話と12話が関連付けられている。

物語の中でここが「小さな奇跡」と位置付けられていて

こういうシチュエーション好きな人も多いのだろう。

作者はオーストラリアに長く住んでいたそうなので、

この手の感覚は洋画なんかだとかっこいいんだろうなと思いながら読んでいた。

後半、舞台が日本よりオーストラリアの方が多く、

それそれで連作としては身のある中身になるのだろうが、

個人的には全てマーブル・カフェで起きた出来事を

マーブル・カフェで解決する。

そんな落としどころの方がよかったんじゃないかなと感じた。

この作者の他の作品

「ただいま神様当番」

「月曜日の抹茶カフェ」

「鎌倉うずまき案内所」

タイトルからして、同じようなテーストの物語なのだろう。

機会があれば読んでみたいと思う。

木曜日にはココアを (宝島社文庫) [ 青山美智子 ]
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