その辺のバラッド

すぐだよさんの話

「俺あいつと知り合いだ」
「あの人とは友達だよ」
「あいつには、良く世話してやったよ」

こういうことを聞かれる前にべらべら喋る人がいます。

だいたいここに出てくる
あいつやあの人はそれなりにすごい人だったり力のある人だったりして

つまり、そんなあいつを知っている自分もすごいだろ

と、意思表示をするんだよね。

ある時、ある方にお仕事をお願いしたいことができた時、

「あぁ、あいつなら俺の名前言えばすぐだよ」

と、また聞いてもいないのに、しゃしゃり出てきた人がいました。

まぁ、しゃしゃり出方は、うぜぇな、と思ったが

名前言えばすぐらしいので、せっかくのご厚意なんで連絡しました。

「○○さんから紹介していただきまして・・・」

「・・・○○さん、、、誰ですかね?」

あれ?あいつなら俺の名前言えばすぐだよのはずが、名前を聞いてもすぐの前にわかってないぞ。

こうこうこういう人で、よく知ってるっていうんですが・・・と説明したが

「すみません、全然知らないです」

だって。

で、そのあと仕事の趣旨話したら、その内容に納得いただき仕事を引き受けてくれた。

「あぁ、あいつなら俺の名前言えばすぐだよ」

で、余計な遠道はしたけど、まぁよかった。

で、その方と仕事して、仕事終わってから、

すぐだよさんが俺のことを怒っているという噂が耳に入る。

「あいつ俺に頼んで○○と仕事したのにお礼のメール一本寄こさない」

まぁ、誰ですかね?と言われたんで、そのこと報告するのも何かなとしなかったんですが、

そもそも○○さんのこと、あなたに頼んでもいないしね。

と思ったけど、面倒だからメールで「おかげさまでうまくいきました」とだけ送っておいた。

返事は来なかった。

その後、

すぐだよさんの知り合いの知り合いにたまたま昨日会った。

その人が俺に言う。

「溝手さん、あの人にすごいお世話になってるんですってね。ユータスネット作る時も相談に乗ってやったって」

俺、すぐだよさんに初めて会ったの、たしか6年くらい前なんだよなぁ。

ユータスネットって今年で12年目なんだけどなぁ。

とだけその人に話したら、言いたいことが伝わったみたいで

「あの人そういうとこありますよね」

だって

いや。

「あの人そういうとこしかないね」